第169回国会(通常国会)(2008.1.18 ~ 6.21)

農林水産委員会

3月25日(火) 対大臣所信に対する質疑

{ 農林水産大臣 若林正俊、 農林水産省総合食料局長 町田勝弘、農林水産省消費・安全局長 佐藤正典、 厚生労働省大臣官房審議官 中尾昭弘 }

(主な論点)

冒頭、米の緊急対策としての10万トンの飼料米の買い上げについて、処理目標10万トンに対し、実績が1万4632トンと極端に低いこと、農林水産省が全農に対して処理実績の数値を求めて来なかった上に、飼料用に処理する米をこれ以上集めることは困難であることを確認した。米の価格は依然として下落している状況を示し、米の緊急対策の効果をどう評価しているのかを質した。また、処理しきれなかった米が、平成20年産の米価形成にマイナスの影響を与えることは大問題であることを指摘して、農林水産委員会の場で総括する必要性を強調した。更に、低米価の中で、農地の流動化、生産の組織化を進めるには、経営収支の見通しが大切であり、所得補償が必要であると主張した。

次に、食の安全対策について、政府は、中国における農薬の使用規制のルールは把握しているものの、使用実態を把握している訳ではないことを確認し、日本国内の規制が充分に整備されていないことが食品輸出国と交渉する際に大きな障壁となることを指摘した。日本の国内基準の遵守を外国に求めるためのツールとして、ある程度の国内規制を確保すべきだとして、政府に検討を求めた。

最後に、地域水田農業活性化緊急対策では、産地づくり交付金を拡大しなかったため、生産調整の面積が増えると反当たりの交付金の額が薄まり、新たに生産調整に参加する農家には産地づくり交付金が出せず、現場が混乱している状況について質した。内容の周知、普及推進を図るとする答弁に対し、実際に耕作を行う農家のインセンティブを高めるような支援が必要であるとして質疑を締め括った。

3月27日(木) 一般質疑

{ 農林水産大臣 若林正俊、 農林水産省総合食料局長 町田勝弘 }

(主な論点)

冒頭、米の緊急対策としての全農による10万トンの飼料米処理が、結果的に1万4632トンにとどまったことにつき、3月25日の農林水産委員会において若林大臣が遺憾であるとしたにもかかわらず、全中及び全農が、翌26日の日本農業新聞において2007年産米の価格下落の歯止めと価格浮揚に絶大な効果を発揮したとコメントするだけで、反省の言葉がなかったことを批判し、農林水産省に対応を求めた。

また、全農が非主食米への処理に全力で取り組んできたと言うことは、本来処理するはずの米をどこかで売ったということであり、34万トンの買い付けと10万トンの飼料米の処理を宣言した中では、インサイダー取引を行ったと言われても仕方がないと批判した。

最後に、10万トンのえさ米の需要があると見通した根拠、10万トン相当量の米を当初どのような手段で集めようとしていたのか、10万トン相当量の米は当初どのような体制で集めることをいつから実施したのか、結果として何故集められなかったのかを、全中、全農に対して明確に確認する必要があることを強調して質疑を締め括った。

4月10日(木) 参考人質疑

{ 農林水産大臣 若林正俊、 農林水産省総合食料局長 町田勝弘、 農林水産省経営局長 高橋博、 全国農業協同組合連合会代表理事理事長 宮下弘、 同常務理事 米本博一、 全国農業協同組合中央会専務理事 向井地純一、 同常務理事 冨士重夫、 厚生取引委員会経済取引局長 松山降英 }

(主な論点)

冒頭、米の緊急対策としての10万トンのえさ米の処理は、全農が政府に要望したものだったのかを質した。若林大臣は、農水省と自民党との協議の中で緊急対策を決定するに当たり、全中、全農の代表者に意見を求めた際に約束を得たと答弁した。続いて、全農に対して取り組むと決断した根拠を質した上で、このような処理方法は米価形成、米価市場への介入だと批判した。

更に、18年産米の11万トンについて、緊急対策が決定される前の段階で全農子会社などに対して安い価格で米を販売する契約がなされたことを確認した上で、その契約が締結された後になって、政府に対して34万トンの米の買い上げを要求し、価格が上がった段階で小口需要者に販売することは、インサイダーと言われかねない行為だと批判した。米の販売を行える人間が、価格浮揚対策として大規模な米を扱える構造はおかしいと強調した。

また、10万トンのえさ米の処理は、政府も自民党も無理だと分かっていながら口先介入だけを行ったのではないかと疑問を呈し、制度設計上も、時期的にも非常に無理があったと批判し、結果として全農、全中が信用されなくなり、19年産米の価格形成、20年産米の価格形成にマイナスの効果を及ぼすとの懸念を示した。

4月22日(木) 一般質疑
{ 農林水産大臣 若林正俊、 農林水産省総合食料局長 町田勝弘 }

(主な論点)

冒頭、ミニマム・アクセス米の取扱いにつき、予定価格設定の考え方を質した後、国際価格の状況が通常の場合よりも随分逸脱しているので、予定価格の設定の仕方には、買うということとは別の考え方で、ある程度の配慮があってしかるべきだと指摘した。

また、米があるにもかかわらず、品不足が原因で米の小売価格が上がっている問題につき、対応をこれから検討するという政府に対し、政府米の放出など直ちに動くべきだと強調した。

続いて、バイオ燃料につき、トウモロコシからエタノールを作ることを奨励するアメリカの政策に対する政府のスタンスを質した。若林大臣による米国の推進政策は国内問題であり、原料を食料作物に求めない方向に努力する姿勢を国際的な場で主張するとの答弁に対し、穀物価格の上昇による開発途上国への影響などにコメントを出し、バイオ燃料の推進が食料と競合する部分については、推進の抑制を求めるなど働きかけを強くするべきだと指摘した。

次に、自給率の向上につき、大臣の見解を質した。若林大臣は、生産と消費の両面で総合的な対策を取り、工程表を作って取り組む必要性を強調し、きちんとしたプログラムを作っていきたいと答弁した。

6月10日(木) 一般質疑

{ 農林水産大臣 若林正俊 }

(主な論点)

冒頭、自給率の向上につき、生産費と市場価格との差を補填する措置を講ずる必要性を強調した上で、自給率向上に向けた工程表を具体的にどう考えているのか質した。財政上の支援措置のあり方も念頭に置きながら工程表の検討に着手したとの若林大臣の答弁に対し、自給率の向上にはコストがかかることをきちんと発信することが大事だと指摘した。また、WTOの生産刺激的な補助金の扱いについて、今後どのようなスタンスで臨もうとしているのか、WTOの協議項目の中での食糧支援の位置付けについて質した。

次に、米粉の活用について、小麦粉に混ぜることで米粉の需要が生まれ、それが農地、農村を守ることになり、国を保全することにもなると指摘し、国家プロジェクトとして推進するという発想が大事だと強調した。

更に、米からエタノールを作ることは、エネルギー収支がマイナスになるのではないかと指摘して政府の見解を質した。

最後に、MA米の予定価格の設定につき、米の国際価格が高騰している中では、時価で設定するのではなく、過去の趨勢の勘案など別の考え方で設定し、結果として不落になることもあり得るということを明示すべきだと強調し、また、投機マネーについて何らかのメッセージを発するべきだとして質疑を締め括った。