民主党農業者戸別所得補償法案の審議終了にあたって (平成20年5月9日)

国民の皆様が安心して質の高い食生活を送ることができるよう、国内で安全な農産物を安定供給する仕組みを充実していかなければなりません。そのためには、意欲を持った農業者が安心して生産に取り組むとともに、迎えつつある農村の変化に対応した地域主体の地域農業を確立していただくことが必要です。このような考え方のもと、民主党は農業者戸別所得補償法案を策定しました。  

この農業者戸別所得補償法案は、経営の規模、年齢にかかわりなく、意欲を持って取り組む農業者に対し、主要農産物を対象として、農業の再生産の確保に資するため、その生産費と販売価格の差を基本とした補てんを行い、その所得を補償し、農業の再生産の確保、著しく低下した食料自給率の向上、農業、農村の維持発展を目的とするものです。  

本法案は、昨年の第168回臨時国会において、10月18日に参議院に提出された後、15時間に及ぶ活発な審議の末、11月9日の参議院本会議で可決されました。衆議院では、継続審査を挟んだ第168回国会と第169回通常国会に渡り、農林水産委員会においても約15時間に及んで厳しく審査されました。各農林水産委員会では、法案の筆頭発議者として答弁に立ち、民主党農業者戸別所得補償法案の優れている点を説明致しました。法案に対しては、農家の皆様をはじめ各方面から高い期待が寄せられておりましたが、5月8日の委員会採決において、与党の反対によって否決され、翌5月9日の衆議院本会議で否決されました。  

国内では米の価格が下落する一方、世界の食糧価格が上昇する中で、わが国の食料自給率を向上させる必要性は益々高まっています。民主党農業者戸別所得補償法案の考え方が、この国の農業、農村の発展及び食糧の安定供給にとって重要であるという事実は、法案が否決されたからといって、些かも損なわれるものではありません。この法案の考え方、併せて民主党の農業政策の考え方は、全国の生産者、消費者に方々に強く支持され続けるものであると確信しております。  

尚、本法案の考え方及び民主党農政の考え方を、全国の生産者、消費者の皆様により広く知って頂くため、引き続き、説明会や意見交換会を通じ、精力的に活動して参ります。                  

民主党農業者戸別所得補償法案の審議経過 (平成20年5月9日)

【参議院】(第168回国会)

・平成19年10月18日(木)提出

・平成19年10月29日(月)委員会付託

・平成19年10月30日(火)農林水産委員会 趣旨説明

・平成19年11月1日(木) 農林水産委員会 質疑(5時間)   

質疑者:民主党(主濱了、藤原良信、米長晴信)自民党(野村哲郎、山田俊男)公明党(谷合正明)共産党(紙智子)   
答弁者:民主党(平野達男、高橋千秋、舟山康江)

・平成19年11月6日(火) 農林水産委員会 質疑(6時間)  

質疑者:民主党(青木愛、金子恵美)自民党(市川一朗、佐藤昭郎)公明党(谷合正明)共産党(紙智子)
答弁者:民主党(平野達男、高橋千秋、舟山康江)

・平成19年11月8日(木) 農林水産委員会 参考人質疑(2時間5分)・質疑(4時間)・討論・採決(可決)

参考人質疑者:民主党(主濱了)自民党(野村哲郎)公明党(谷合正明)共産党(紙智子)
質疑者:国民新党(亀井亜紀子)民主党(藤原良信、金子恵美)自民党(牧野たかお、山田俊男、加治屋義人)公明党(谷間正明)共産党(紙智子)   
答弁者:民主党(平野達男、高橋千秋、舟山康江)
賛成討論者:民主党(青木愛)共産党(紙智子)   
反対討論者:自民党(野村哲郎)公明党(谷間正明)

・平成19年11月9日(金) 本会議 採決(可決) 衆議院へ送付

【衆議院】(第168回国会 → 第169回国会)

・平成19年12月4日(火) 委員会付託(168回国会)

・平成19年12月5日(水) 農林水産委員会 趣旨説明

・平成19年12月12日(水)農林水産委員会 審議(3時間)   

質疑者:自民党(近藤基彦、小里泰弘)公明党(西博義)民主党(小平忠正)社会民主党(菅野哲雄)   
答弁者:民主党(平野達男、高橋千秋、舟山康江)

・平成19年12月19日(水)農林水産委員会 審議(4時間)   

質疑者:自民党(江藤拓、稲田朋美、伊藤忠彦、赤澤亮正)公明党(井上義久)民主党(佐々木隆博、岡本充功)社会民主党(菅野哲雄)   
答弁者:民主党(平野達男、高橋千秋、舟山康江)

・平成20年1月11日(金) 農林水産委員会 継続審査議決

・平成20年1月15日(火) 本会議 継続審査議決

・平成20年1月18日(金) 委員会付託(169回国会)

・平成20年4月8日(火)  農林水産委員会 参考人質疑(2時間40分)・質疑(2時間)

参考人質疑者 : 民主党(石川知裕)自民党(中川泰宏)公明党(井上義久)社民党(菅野哲雄)
質疑者 : 民主党(仲野博子、佐々木隆博、篠原孝)社会民主党(菅野哲雄)
答弁者 : 民主党(平野達男、高橋千秋、舟山康江)

・平成20年5月8日(木)  農林水産委員会 審議(3時間)・採決(否決)    

質疑者:自民党(小里泰弘、赤澤亮正、近藤基彦)公明党(西博義)    
答弁者:民主党(平野達男、高橋千秋、舟山康江)
賛成討論者:民主党(筒井信隆) 
反対討論者:自民党(岩永峯一)

・平成20年5月9日(金)衆議院本会議 採決(否決)                        

民主党農業者戸別所得補償法案について (平成19年10月)

去る10月18日の午後、民主党は「農業者戸別所得補償法案」を参議院に提出いたしました。

本法案は、私が民主党戸別所得補償法案策定小委員会の座長として取り纏めたものです。

農業、農山村をめぐる状況はまだまだ厳しいものがありますが、この法案をめぐる国会での政府、与野党間の議論を通じて、そして何よりも、この法案を国会で成立させることで、新たな展望を開くための大きな転機としたいと思います。

この法案の目的は(1)食料の国内生産の確保、(2)農業者の経営の安定、(3)食料自給率の向上、(4)地域社会の維持、活性化などの農業の多面的機能の確保です。 生産数量目標に従って、米、麦、大豆その他の主要農産物を生産するすべての販売農業者に対して、農業者戸別所得補償金の支払いなど、個々の農産物の生産に着目した支援を行います。

【主な論点に関する国会でのやり取り】

  • 農業者戸別所得補償法案の主な論点に関する衆議院農林水産委員会でのやり取り
  • 農業者戸別所得補償法案の主な論点に関する参議院農林水産委員会でのやり取り

【法案関係資料】

  • 法案要綱の要旨
  • 法案要綱
  • 法案条文
  • 法案の趣旨(平成19年10月30日参議院農林水産委員会にて、筆頭発議者として説明しました。)
  • 農業者戸別所得補償金の仕組み
  • 農業者戸別所得補償金の考え方
  • 農業者戸別所得補償法案と担い手経営安定新法の比較
  • コメ価格センター全産地品種銘柄の年産別平均価格と全算入生産費の推移(60Kg当たり)
  • 米の生産費