三位一体改革は財政力の弱い自治体にとってはいばらの道

 国と地方の関係では、これまで国に権限も税源も過度に集中しており、それが地方自治発展の妨げになっていると指摘されてきました。そこで、地方分権推進というスローガンのもと、認可など権限の委譲については、これまで相当の取り組みがなされ、その成果も、まだまだ不十分とはいえ出ています。

 しかし、補助金改革については大きく遅れ、税源移譲については全く手つかずの状態が続いていました。

 こうした状況を打開するため、国、地方の行財政改革の一環として政府は、三年前からいわゆる三位一体改革を進めてきました。三位一体改革とは、補助金の見直し、それを財源とした国から地方への税源移譲、地方交付税交付金の見直しの総称です。国に集中している権限や財源を、国から地方へ委譲するという考え方はいいとしても、やり方によっては都市と地方の格差を拡大しかねない。このことに充分留意しないと、財政力の弱い自治体は財政的にますます追い込まれる、との主張をここ二年、一貫して行ってきました。

 予算委員会では、これまで三回に渡って三位一体改革について取り上げました。次ページの写真は臨時国会における全閣僚出席による基本的質疑のやりとりの様子で、NHKで国会中継されました。所得税(国税)と住民税(地方税)の配分見直しによる税源移譲は、人口の多い都市部と少ない地方との財政力格差を拡大すること、地方交付税によってそれを是正することには無理があることなどの論を展開しました。

 三位一体改革の問題点に具体的に浮かび上がらせた議論は反響を呼び、質問についての問い合わせなどが全国から寄せられました。

 なお、この議論をきっかけに税源移譲による格差の是正は、地方交付税とあわせ、法人事業税の配分見直しとセットで行われることになりました。

 三位一体改革は総論としては正しい方向であると思います。しかし、最近になって政府がこうしたことを言い始めた背景には、国は600兆円以上に及ぶ多額の借金を抱え、国から地方への補助金、地方交付税交付金を減らしたい意向があることを強く意識しておく必要があります。国の財政の都合だけを優先して「改革」を進めることは、厳しく抑制していかなければなりません。

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