第169回国会 閉会中審査 (2008.9.18)

農林水産委員会

▽9月18日(木)

案件 : 汚染米等移転問題に対する質疑

答弁者 : 農林水産大臣 太田誠一 農林水産省総合食糧局長 町田勝弘 内閣府食品安全委員会事務局長 栗本まさ子

(主な論点)

 冒頭、太田大臣による安全であるとの発言につき、科学的に安全であるとの食品安全委員会の見解は極めて限られた検体についての情報であって、汚染米全体が消費者にとって安全であることとは異なると指摘した。大臣の発言は安全の定義があいまいであり、行政と政治に対する消費者の不信が増すものだと批判した。また、食品の安全制度に対する不信を増幅させ、信頼制度を揺るがせたことに対する認識が甘すぎるとし、太田大臣の辞任を求めた。

 次に、カドミ米のように熱処理、粉砕、着色し、他の用途に使われないようにしなかった理由を質した。コスト節減のためとの局長答弁に対し、横流しされうるという認識を農水省が持っていなかったことを確認した。農水省幹部による、昔からの商習慣に従い仲介業者が転売を繰り返すことで出所が分からなくなり、自然に値段が上がる、検査も途中で止まると思っているとの発言は、米の流通業界の集団心理を表していると同時に、農水省全体の認識ではないかと指摘した。今回の事態は十分予想されるものだったと指摘した。

 続いて、検査の根拠規定は政府所有物売買契約書の14条であり、調査が必要であると判断するのは各地方農政事務所長であることを確認した後、調査マニュアル、調査の考え方、基準の有無を質した。全国統一的な明文化されたマニュアルはないが、加工用原材料米穀の立会いに準じて行っているとの答弁に対し、加工用米穀とは、第三者に米を変型加工するのを委託し、それを政府が流す仕組みであって、今回の仕組みとは全く異なるとし、準じて行うとする考え方自体がおかしいと批判した。また、本省に対する検査の報告義務がないことは、売却した汚染米が適正に処理されたのか数量的に誰も把握していないことであり、管理システムが欠如している指摘した。また、検査自体が全くずさんであったと批判した。

 更に、双日から三笠フードへの売却について、きちんと処理されているのかを誰の責任で管理、確認することになっているのかを質した。局長通知の処理要領に従い地方農政事務所が96回立会調査の中で行っているとの答弁に対し、民民ベースの取引に農政事務所が検査を行うには法律の根拠が必要であるとし、ルールすらなかった可能性を指摘した。汚染米、事故米の処理については、横流しできないようなものにして出すことも一つ方策だと主張した。

 続いて、汚染されていないミニマムアクセス米につき、飼料米として104万トン売られたものが本当に飼料米として使われたかどうか誰が確認しているのか質した。販売されたMA米が配合原料タンクに投入されるのを現場で確認しているとの答弁に対し、飼料米であっても横流しすることは十分可能であり、それをねらっている仲介業者が沢山いることを認識する必要があると指摘した。現在のシステムが、偽装をやりやすい構図となっていると強調した。更に、集荷円滑化事業で扱われている国内産米の過剰米でも同じ構図があり、今回の汚染米の事件に繋がったとして、大臣の見解を質した。十分視野に入れて制度を仕組んでいかなければならないとの答弁に対して、仮に、集荷円滑化の米が出回っているとすれば、農家にとっては米を安く買い上げられた上に、その米が市場に出回り米価全体を押し下げることとなり、生産調整の効果が弱まると意識のある農家は思い、不安を持つと指摘した。実態解明のための検証委員会では、正規米、ミニマムアクセス米の飼料用米、加工用米についても流通形態でどうなっているのか検証すべきだと強調した。

 最後に、風評被害について、初期の情報発信を誤ってしまうと事態を悪化させるとし、9月16日付けの大臣談話では遅すぎ、最初に出すべきであったと指摘した。また、三笠フーズの冬木社長の政府売却工業用加工米横流しのお詫び及び釈明を引用して、冬木三男社長と汚染米の転用を勧めた宮崎一雄顧問の参考人招致を要求して質疑を締め括った。